公職選挙法と議員インターン制度の関係について

公職選挙法と議員インターン制度の関係について

議員インターンシップの実施に際し、公職選挙法との関係において論点となる事柄につき、総務省の見解及びNPO法人I-CASとしての対応についてまとめさせていただきます。

研修期間中の選挙運動への関与について

研修期間中、インターン生に選挙運動への関与をさせることについては、公職選挙法第221条、買収の規定との関係が問題と考えられます。総務省の見解によると、「インターン生を送る行為に”選挙運動性”が認められる場合は公選法221条に該当するおそれがあるが、選挙運動性が認められない場合は問題にはならない」とのことです。 ここでいう「選挙運動性」については、当該選挙の候補者を当選させる意図があるかどうかで判断されます。従って、特定の候補者を当選させる目的をもって研修生を送り出す行為があった場合は、選挙運動性が認められ、公職選挙法違反となります。逆に、選挙運動性が認められない場合、すなわち、あくまでも研修の一環として選挙運動への関与があったとしても、直ちに221条に抵触するとは言えないことになります。 しかしながら、選挙運動への関与を認めてしまうと、例え私どもI-CASとの間で意思を通じて行われたものでなかったにせよ、特定の候補者の選挙運動への関与を前提としたり、あるいは結果的に特定の選挙運動への関与の色彩が強くなってしまう形での研修が行われてしまう危険性があります。このような形でインターンシップが選挙運動要員の募集という様相を呈する事態を招くことは、I-CASの議員インターンシップが意図するところではありません。 以上のような理由から、NPO法人I-CASでは、研修期間中、研修生の一切の選挙運動への関与を禁止させていただいております。

将来の選挙運動への関与を前提とした募集について

次いで、将来の選挙における選挙運動への関与を前提としたインターン生の募集についてです。研修期間中ではなくとも、研修期間終了後に選挙が控えている場合、これへの関与を前提としたインターン生の募集方法をすることは、「選挙運動性がある」と解されることから禁止となります。 そのため、議員紹介冊子や、マッチングフェア時におきましても、事実として選挙があることについての言及は差し支えありませんが、これに対する関与を依頼するような表現方法を取ることはできません。研修期間終了後の関与については、あくまでもインターン生個々人の自由意思によって判断される事柄であり、関与を強制することはできません。 なお、選挙運動期間直前にインターン活動を行うことは、その後の選挙運動にも引き続いて関わる可能性を高めることから、NPO法人I-CASでは「選挙の公示ないし告示の日から起算して30日前にかかる時期のプログラムへの参加禁止」という規定を独自に設け、選挙運動とインターンシップ研修が連続的なものとならないよう配慮しています。

研修生への交通費、食費の支給について

研修生に対する交通費、食費の支給については、公職選挙法第199条の2、寄付の禁止規定との関係が取り沙汰されます。通例、議員インターンシップの受け入れ議員の皆様には、研修生に対し実費の範囲内で交通費、食費等の必要経費の支給をお願いしておりますが、総務省の見解によれば、「債務の履行としてなされるものであれば寄附とはみなされないが、債務の履行としてなされるもの以外のいわれのないものについては寄附に相当する」とのことです。この見解は、同179条第2項が寄付を「金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約束で党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のもの」と定義し、その寄付を禁止しているのが第199条の2であることから導き出されるものです。 インターンシップ活動における「債務の履行」とは、すなわち一定の労務があったことに対する対価として交通費、食費等を支払う、ということだと言えます。 つまり、インターン生の活動内容が一定の「労務」として考えられれば、そのインターン生の労務に対する対価を支払う「債務」が議員側に発生するので、この債務を履行するものとして交通費、食費の支給を行っていると考えられますが、労務を伴わない単純な見学、インターン生個人の興味による勉強会やイベント等への参加時における交通費、食費の支給、あるいは「歓迎会」といった名目での飲食には対価性が認められず、「寄附」に該当する可能性が発生するものと考えられます。

参考:公職選挙法(抄)

  第179条 2 この法律において「寄附」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約束で党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のものをいう。

第199条の2 公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この条において「公職の候補者等」という。)は、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域。以下この条において同じ。)内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない。(以下略)

第221条 次の各号に掲げる行為をした者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。 1.当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対し金銭、物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与、その供与の申込み若しくは約束をし又は饗応接待、その申込み若しくは約束をしたとき。

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